自分にピッタリなファッション発見術
ではどのように自分にピッタリなファッションスタイルを見つければいいのでしょうか。まずは、着こなしの初歩の初歩を、二つほどご説明しましょう。
①色、デザイン、形、素材はシンプルに。
②高い服/安い服、華美な服/シンプルな服、素材や縫製が優れている/劣っている、格好いい服/格好悪い服は、それぞれ別の要素であって。相互の関連性は、ほぼ無い。
この二つを参考にしてみて下さい。
②はちょっと判りにくいので補足説明します。例えば、高級ブランドの服は、素材やデザインに優れてお洒落ですが、ビジネスには不向きなくらいゴージャスでデコラティブな服を数多く見かけますし、それこそが値打ちです。また同じ高級ブランドでも、シンプルで高い服もあれば、縫製が手が込んで品質が優れているのにお求めやすい服もあります。逆にいま流行りのファストファッションにも、とてもお洒落で品質がよく、なおかつ低価格な物もあります。
大切なのは、価格や有名ブランドか否かではなく、あなたがどんな服を求めているのかです。ビジネスの場で使う服なのか、デートなのか、スポーツやリクリエーションの動きやすい服なのか、あるいは夜のフォーマルなパーティーに使うのか、その目的によっておのずと必要な服が見えてくるはずです。そしてそこに、知的なキャリアウーマン路線、気さくで健康的なセクシー、カジュアルでスポーティーなどなど、その服であなたが自分をどう演出したいのかをプラスして下さい。
自分力を高めるファッション②
まだ戦争の爪あとが日本各地に残り、物が充分にない時代にファッション雑誌『それいゆ』を創刊し、洋服や料理、インテリアなど“美しい暮らし”を紹介して一世を風靡したたイラストレーターで人形作家の中原 淳一氏。その中原氏は、「ジュニアそれいゆ」56年5月号でこんなことを言っています。
《美しくなるということは、他の人たちをアッと言わせるような美しさを見せびらかすことではありません。また、決して贅沢なことをするというのでもありません。
身だしなみの本当の意味は、自分の醜い所を補って、自分の姿がいつも他の人々に快く感じられるように、他の人があなたを見る時に、明るくなごやかな気持ちになるためのものだということを忘れないで下さい》
つまりファッションとは、自らの思想やライフスタイルの表現であはあるけれど、けっして自己満足ではなく、周囲の人たちや社会とどういう関係性や距離感を取っていきたのかを表現するものだというのです。
極端な話をすれば、いくら好きだからといって、自分には似合うからといって、誰かのお葬式に最新流行のプレタポルテや派手なドレスで出席する人はいません。人間はたった一人で生きているわけではなく、家族、会社、地域社会などさまざまな社会的な仕組みに属しており、どんな状況であっても勝手気ままな振る舞いが許されるわけではないからです。
ファッションスタイルを考える時は、「自分はどんなファッションで何を表現したいのか?」と同時に、その服装はあなたに求められている社会的な「TPO(時間、場所、役割)にふさわしいのか?」も考えて下さい。
自分力を高めるファッション①
みなさんは、どういう基準で自分のファッションを決めていますか?
クローゼットの中にあったから。パリやミラノ、ニューヨークで発表されるそのシーズンの流行だから。それともブランド物だから、あるいは雑誌に載っていたからでしょうか。質問を変えてみましょう。
「そのファッションであなたは何を表現したいのですか?」
自分の美しさや、センスのよさ、あるいは高級ブランドを買うことができる生活の余裕でしょうか。そういった表面的なものだけでなく、実はファッションはあなたの内面を映し出す、とても奥深いものなのです。
黒を中心にしたプレタポルテ(高級既製服)・ブランド「Yohji Yamamoto」を展開し、世界のモードの中心パリ・コレクションでも大活躍する日本人デザイナー山本耀司氏をご存知の方も多いでしょう。その山本氏が、 鷲田清一氏の著書『ちぐはぐな身体―ファッションって何?』 (ちくま文庫) の中で、「一着の服を選ぶってことは生活を選ぶことだから、実はたいへんなこと」であり、「一着の服装をするということは、社会に対する自分の意識を表現すること」なのだと語っています。
つまり洋服とは、ただ裸の体を隠すためのものではなく、あなたのライフスタイルやファッションは、周囲のみんなと協調し穏やかに暮らしていきたいのか、先鋭的な生き方で周囲から浮き上がったとしても自分の美意識を貫きたいのか、どんな美意識の方で何を快とし何を不快とするかなど、あなたの人となりや内面が浮かび上がってしまう怖ろしいものなのです。それでは具体的にどのような“基準”でファッションを選べばいいのかをじっくり考えていきましょう。
ウォーキングは、ごほうびがいっぱい!
ごほうびは簡単なものでかまわないと申し上げましたが、「ウォーキング・コース自体が楽しい」も立派なごほうびです。
外の道を軽快に歩いていると、昼なら暖かな陽射し、夜なら漆黒の空に煌々と輝く月や星、顔や体にあたる風、道端に咲いている季節の花の香り、家に閉じこもっていては判らない喜びがいっぱいです。通勤や買い物の行き帰りなどに同じ道を通っていても、心に余裕が無く先を急いでいるとこうしたことには気づきません。身の周りにある自然や季節の移り変わりに気づくことは心を癒し、リフレッシュ効果や余裕あるスローライフにも繋がり、これ自体が立派なごほうびです。
あるいは写真撮影や絵を描くのが趣味なら、ウォーキングを楽しみながら、同時に自然を追いかけてあちらこちらを散策。作品のモチーフも探すのも楽しいですよ。
またいつもの歩き慣れたコースではなく、知らない道をウォークングしてみるのも面白いでしょう。入ったことのない路地が、思いもよらない場所に通じていたり、まったく知らなかった公園で花や植物に癒される、美味しいパン屋やカフェ、本屋、新鮮で安そうな肉屋、魚屋、八百屋を発見するなど、いつもと違う道はたくさんの未知の体験に繋がっています。これもまた素敵なごほうびです。
運動すると“ごほうび”がもらえる②
最初のうちは、何か物を買うなどお金のかかることがモチベーションアップの“ごほうび”ですが、ウォーキング(あるいは他のスポーツでもかまいませんが)が習慣化したら、後は簡単な物でも効果は上がります。子どもの頃に経験した夏休みのラジオ体操を思い出して下さい。ただハンコをもらうだけなのに妙に嬉しくありませんでしたか。何故なら、ごほうび自体が目的ではなく、今までの自分の努力や頑張った結果を、ハンコの数により“目で確認する=脳に認識させる”ことが重要だからです。
ですから、週に3日のウォーキング目標をクリアしたら、レンタルショップで好きな音楽CD、映画やTVドラマのDVDを借りて週末に見てもいい。ウォーキング後、ちょっとお高めなオシャレなミネラルウォーターを飲んでもいい。バスルームでただ運動の汗を流すのではなく、好きな入浴剤やアロマを用意、仕事や家事をひととき忘れて心身のリフレッシュを図るなど何でもいいのです。子どもの頃のラジオ体操と同じでウォーキングをクリアした日は、いつも仕事に使っている手帳に赤ペンで「よくできました」の意味の花マルを書くだけでもいいのです。たったそれだけですが、手帳にズラリと並んだ花マルを見れば、つい顔がほころんで子どものようなニコニコ笑顔、モチベーションやテンションがUPすることは間違いありません。
運動すると“ごほうび”がもらえる①
しかし、わずか10分のウォーキングといっても、暑い、寒い、見たいテレビがある、体にいいのは判ってるけど何だか億劫など心理的ハードルはたくさんあります。
そんな時は、脂肪燃焼効果がどうだとか、ウォーキングは週に3回程度が理想的だとか、難しい理屈はひとまず忘れて、まずは運動量や内容、頻度ではなく、単純に「体を動かすと気持ちがいい(ごほうびがもらえる)」ことを頭と体に覚えこせましょう。
ごほうびは、何でもいいのです。
例えばウォーキングに行きたくなるような、オシャレなスポーツウエアとシューズを買う。ウォーキングの途中で見つけたカフェで美味しいケーキとお茶(ひとまずカロリーのことは忘れましょう!)。何kgダイエットに成功したら、旦那様や彼氏に新しいタイトめな洋服を買ってもらう。モチベーションが上がることなら何でもいいのです。
そうやって、最初はイヤイヤでもウォーキングに行けば、何だかご飯が美味しい、脚の筋肉やウエストが引き締まってきた、よく眠れるようになったなどのごほうびももらえます。パブロフの犬のように、「ウォーキングは楽しい」とインプットされたら、最も大変な“日々の暮らしの中に習慣化する”にみごと成功したわけですから、面倒や億劫という心理的ハードルはかなり低くなっています。ここまで来たら、回数を増やす、美しく正しいウォーキング・フォームの追求、目的とする体重減や消費カロリーの数値の設定、脚やウエストなど体のどこを引き締めたいかなど、次の目標を設定すればいいのです。
アフターエフェクトで、運動はたった10分でOK!
近年、中高年を中心にブームなのが「ウォーキング」です。高価なウエアや道具も必要なく、手軽に始められて、運動としてはそれほどキツクない。脂肪燃焼ダイエット効果や免疫力アップ、運動不足解消による生活習慣病予防、まわりの景色を楽しむことによるリラックス効果などなどのたくさんのメリットにより、女性や中高年にもお勧めです。
唯一のネックが、運動時間でした。ウォーキングを開始してから10分ほどしないと脂肪の年少が始まらないので30分は続けて歩かないと効果がない、とかつては考えられていたからです。しかし運動の習慣がない人にとっては、30分も連続で歩き続けるのはなかなか大変で、つい億劫になってしまいます。
しかし今では「30分連続でも、15分を2回でも、10分を3回でも効果はほぼ同じ」という研究結果が報告され、ACSM(アメリカスポーツ医学協会)も、この結果を支持しています。
これを「アフターエフェクト」といい、ウォーキング後も横になったり休んだりせず、例えば軽いストレッチをしたり、ウォーキング代わりの買い物から帰宅した後に続けて洗濯や掃除などの家事をすると、ウォーキングをしたのと同じ時間だけ脂肪燃焼効果が持続するのだそうです。
連続30分は無理でも、たった10分なら買い物、通勤の行き帰りにも簡単にできるし、今日からすぐ始められますね。
「面倒くさい」をやっつけろ!
健康や美容、体力作りのためにウォーキングやスポーツジム通いを始めようと決心した時。その、せっかくの決心を阻むのが、“でもやっぱり面倒くさい”という思いです。
「銀行に行ったり、買い物に行ったり。しなければならないことが他にある」
「思ったより外が暑い、寒い。ピッタリのウエアを持ってないぞ」
「あれ? トレーニングウエアやランニングシューズが見つからない」
「持って行こうと思ったペットボトルやバッグが見つからない」、etc。
もともとイヤなことなのですから、できない言い訳はいくらでも見つかります。ポイントは、言い訳ができないように“行かざるをえない状況”を用意してしまうことです。
具体的には、
①時間が空いたら、暇になったらではなく、何曜日には仕事や家事が終わった後、何時から運動をするとスケジュールを決める。ただ漠然と思うのではなく、パソコンやケータイ電話に予定を書き込み、その時間にアラームが鳴るようにしましょう。
②まずは運動をすることそのものではなく、運動に関するイメージを自分の脳に覚えこませる、習慣づけすることが大切です。
③買い物などの他の予定は、ウォーキングやジムの行き帰りにすませる。
④トレーニングウエアを、部屋の中の目につくところに吊るし、すぐに手に取れるようにしておく。
⑤スポーツジム用のバッグを一つ作り、トレーニングウエア、シューズ、着替え、タオル、ペットボトルなどを一まとめにし、あれこれ捜さなくていいようにしておく。いつも定位置に置いておけば、出かける時はそのバッグをひょいと持ち、後はケータイ電話や財布、鍵など必要なものをプラスすればいいのです
思い立った時に身軽に出かけられるようにしておくことが、スポーツに限らず、心理的ハードルを低くして行動に結びつけるポイントです。
スポーツをすぐ始められる・続けられるカラダ
「最近、帰宅や就寝の時間が不規則で、運動不足な生活が続いているなあ」
「美容と健康のために何かスポーツをはじめなきゃ」
そう決心してウォーキングを始めたり、スポーツジムに入会する方は、たくさんいらっしゃると思います。特に女性は、新しいスポーツウェアやスニーカーを買ったり、美しくサイズダウンした自分を想像すると楽しくなってしまうでしょう。しかし女性も男性も、仕事や子育て、家族サービス、ほかの趣味が忙しく、つい億劫になり三日坊主で終わってしまう。高い入会金を出したスポーツジムにもう半年以上行っていないのに、会費だけは銀行引き落としで払い続け、結果としてものすごく高い会費になってしまうというのはよくあることです。
逆に会社の終わった後や家事の合間にウォーキングやランニング、スポーツジム通いを苦もなく、むしろ楽しそうに続け、実際の年齢より遥かに若々しく健康な肉体、外見、精神状態を手に入れた方もたくさんいらっしゃいます。
その差は、いったいどこにあるのでしょうか。
それは運動を続けられる人は、「さあスポーツに出かけよう」と決心してから、実際に出かける・運動を始めるなど“実際に行動に移す”までの心理的ハードルが低い、フットワークが軽い人なのです。逆に言えば、それができれば誰でも気軽に運動を続けることができます。
忙しい時こそ、「空(から)元気でも元気」
「最近、仕事が忙しくて大変なんだよ。昨日なんか徹夜(笑)」「甘い、甘い。俺なんか、もう徹夜が三日続いてるぜ」「私は休日出勤はもちろん、連日終電間際まで残業の連続だわ」。
会社のオフィスで、こんな会話になることはよくあることです。親しい同僚とのコミュニケーションやストレス発散と考えれば結構なのですが、見方を変えればこれは愚痴や弱音です。この種の会話は、(非常に厳しい言い方をしますが)ただの傷の舐めあいで生産性がなく、「僕は・私は、仕事が出来ない人間なんです」と宣言しているようなもの。ビジネス社会においては、とても格好が悪い言動なのだと思ったほうがよろしいでしょう。
あなたの周りで仕事が出来ると評判、みんなの憧れの先輩や上司はどうでしょうか。他の人なら根を上げるような仕事量や状況なのに、いつも笑顔で前向き、愚痴や疲れた顔一つ見せず、イキイキと仕事に取り組んでいませんか。
その人たちも辛くないということは無いはずです。家族やごく親しい友人の前では、疲れた顔を見せたり、愚痴を言っているでしょう。でもみんなの前では「空元気でも元気!」。みんなが憧れるのも道理で、大変な時こそ沈着冷静ほがらかな人は、とても頼もしく格好良く見えます。そういう先輩や上司とは仕事のスキルやキャリアが違う云々と言う前に、自分の仕事の中で出来る範囲から真似してみませんか? 今この時代にあえて、苦しい時や辛い時でも笑顔の「やせ我慢の美学」。とっても格好いいと思います