“手抜き”を上手に楽しむ
いくら最近の男性は家事に協力的だと言っても、多くのご家庭ではやはり家事は女性がメインに担当することが多いと思います。それはまだ結婚していないカップルや、独身の女性も同じでしょう。
毎日、遅くまで会社で働いて、あるいは朝から晩まで家事や育児、家族のための買い物などに忙しく動き続け、ようやく帰宅したらもう夕食の時間。家族やパートナーの笑顔と健康のため、疲れた体に鞭打って夕飯の支度に取りかかる。何ごとにも一生懸命な女性ほど、手を抜かず、味・彩り・献立の豊富さ・栄養学的にも完璧な食事を作ろうとする傾向が強いように思います。それはとても素晴らしいことなのですが、仕事でひどく疲れた時、今日は何だか気が重いという時は、たまには上手に手を抜いてみませんか。
日本料理界の大御所、神田川俊郎さんの有名なセリフ、「花に水、人に愛。料理は心や」にあるように、料理にはその人の心の状態が出てしまいます。ゆったり楽しい気分で作れば美味しく、せわしなくイヤイヤ作れば味も見た目もイマイチになってしまうのです。
そんな時は無理せず、「手抜き料理」を卑下するのではなく、むしろ積極的に楽しんでしまいましょう。例えば、副菜はレトルト食品や冷凍食品、市販のお惣菜など「あり物」を上手に利用して、メインのオカズだけはしっかり手をかけて作る。デパ地下やスーパーで前から気になっていたお惣菜を試しに買ってみる。あり物を利用する時も、買って来たパックや容器そのままで食卓に並べるのは殺風景すぎるので、季節感や色味を考慮した食器に美しく盛る。もう疲れすぎてオカズはすべて買ってすませたいという時でも、ご飯や味噌汁だけは心を込めて丁寧に作る。
こんな風に楽しんでみてはいかがでしょうか。