シンプルクッキングで自分力を磨く
料理上手になって「自分力UP」を図ろうと決めた時はどうすればいいでしょうか。料理のレシピ本を集めて片っ端から作ってみる、料理学校やカルチャースクールに通うのも手ですが、もっと簡単でお金のかからない方法があります。それは「シンプルなメニューを徹底的に追求すること」です。
例えば、オムレツ。昔の洋食屋では、新米コックはオムレツから学び始めたと言います。卵を傷つけないよう殻を割り、塩だけのシンプルな味付け。熱したフライパンにバターを落とし、焦がさないようにする。卵料理は、古今東西、強火でサっと仕上げるのが美味しく調理するコツだとか。卵を入れてから菜ばしでかき混ぜ、卵が焦げ付かないよう、表面は夏のひまわりみたいなまっ黄色、中は半熟トロトロに仕上げがるようにフライパンを振る、火を加減を調節する。オムレツが出来たら、黄色が映えるように吟味した皿にオムレツを壊さないように慎重に置く。
シンプルなオムレツで、これだけたくさんの調理技術が学べます。
●他にも、お米を心を込めて研ぎ、正確な水分を軽量し、土鍋でご飯を焚いてみる。
●卵をあらかじめ冷蔵庫から出して常温に戻してから、よくアメリカの映画や小説に出てくる「3分半茹での半熟ボイルドエッグ」を作る。
●オーブントースターで二度焼きした、表目はカリカリ、中はフワッ、バターがじゅわのホテルで出てくるようなバター・トーストに挑戦してみる。
いずれも作ってみると判りますがシンプルな料理ほど奥が深く、“本当に美味しいもの”を作るには高度な調理技術、いま行っている作業の意味を正しく捉える集中力、失敗を次につなげるための観察力や分析力、そして研鑽と修行が必要なのです。