自分力を高めるファッション①
みなさんは、どういう基準で自分のファッションを決めていますか?
クローゼットの中にあったから。パリやミラノ、ニューヨークで発表されるそのシーズンの流行だから。それともブランド物だから、あるいは雑誌に載っていたからでしょうか。質問を変えてみましょう。
「そのファッションであなたは何を表現したいのですか?」
自分の美しさや、センスのよさ、あるいは高級ブランドを買うことができる生活の余裕でしょうか。そういった表面的なものだけでなく、実はファッションはあなたの内面を映し出す、とても奥深いものなのです。
黒を中心にしたプレタポルテ(高級既製服)・ブランド「Yohji Yamamoto」を展開し、世界のモードの中心パリ・コレクションでも大活躍する日本人デザイナー山本耀司氏をご存知の方も多いでしょう。その山本氏が、 鷲田清一氏の著書『ちぐはぐな身体―ファッションって何?』 (ちくま文庫) の中で、「一着の服を選ぶってことは生活を選ぶことだから、実はたいへんなこと」であり、「一着の服装をするということは、社会に対する自分の意識を表現すること」なのだと語っています。
つまり洋服とは、ただ裸の体を隠すためのものではなく、あなたのライフスタイルやファッションは、周囲のみんなと協調し穏やかに暮らしていきたいのか、先鋭的な生き方で周囲から浮き上がったとしても自分の美意識を貫きたいのか、どんな美意識の方で何を快とし何を不快とするかなど、あなたの人となりや内面が浮かび上がってしまう怖ろしいものなのです。それでは具体的にどのような“基準”でファッションを選べばいいのかをじっくり考えていきましょう。