入念な準備とフレキシブルな行動で勝つ
〆25■1 「あぁっ、学校の準備が何もできていないっ! どうして起こしてくれなかったんだよーー!」
「だから昨日のうちに準備しなさいって言ったでしょーーーッ! キーーーッ!」
テレビアニメ『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』でよく見かける光景ですが、これは大人のビジネス社会でも同じことです。
古代中国の戦術指南書『兵法』に曰く、《勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む》。判りやすく言うと、戦いに勝つ軍隊は、情報収集や軍事訓練、武器や食料の手配など事前準備を入念にする。負ける軍隊は、戦地に行ってから考えるという意味です。
例えば、お客様の会社を訪問する場合は、アポイントメントの日付に間違いがないか。他の予定とダブルブッキングしていないか。同行する自社の人間には連絡済みか。持参する資料やデータは過不足ないか。先方への商談では自社でどんな連携をするのか。訪問先の建物の最寄り駅や地図、訪問時間なら電車とタクシーのどちらが確実かなど、さまざまなことを確認しておきましょう。
「そんなの当たり前じゃないか!」と言われそうですが、こうした基本が出来ていない人がいかに多いかということです。
また最も重要なことは、事前に入念に準備を整えたからといって過信しないこと。ビジネス社会では、物事は刻一刻と変化し、その場その場での臨機応変な思考や対応が物をいうからです。そして入念な準備をしているという心の余裕こそが、冷静かつフレキシブルな対応を可能にするのです。